紅葉を見ようと久しぶりに高尾山を歩いた。天気も良く富士山がきれいに見えた。花は期待をしていなかったが、予想外にいろいろな花に出会えてうれしかった。
アキノウナギツカミ(秋の鰻掴み) たで科
登山口までの途中の道の脇で見つけて、ミゾソバだと思って近づいて見ると茎に細かい棘があった。同じたで科の別物だ。この棘でぬるぬるの鰻が掴めると発想した人がいるのだと思うと愉快だ。
コウヤボウキ(高野箒) きく科
年末の大掃除も近づいた。高野山ではこれを束ねて掃除に使ったというが、小さな仏具などの埃を払うのなら使えそうに思える。山頂近くの登山道で出会ったが、この花の近くでは、ハグマなども見られた。
サラシナショウマ(晒菜升麻) きんぽうげ科
もみじ台の迂廻路で出会った。日陰の中で木漏れ日に照らされてきれいだった。サラシナは更科ではなく晒菜だ。若芽を茹でて晒してから食したことから付いた名だそうだ。
シモバシラ(霜柱) しそ科
もみじ台の迂廻路で出会った。枯れてしまった株の中に、辛くもひと株が枯れずに残っていて白い花の面影を残していた。氷点下になる寒い日には、きっと根元に名前の由来となった綺麗な霜柱ができるのだろう。
せんぶり(千振) りんどう科
一丁平の近くで群生していた。中学生の頃奥多摩を歩いていてよく目にした。その時、先輩から胃の薬になる漢方薬で苦い薬の代表だと教えられた。花弁が4枚や6枚のものもあるようだが、ここのものは5枚だった。
タイアザミ(大薊) きく科 別名トネアザミ(利根薊)
あちこちの山道で出会った。大きい薊というが、特に大きいとは感じられない。大きいのがあるのだろうか。秋に咲く薊で葉が細く、棘が長めなのが特徴。
その1は野菊 その2はイネ科 その3はシダの作品を紹介しました。 今回は 科には拘らず、秋らしい風情を感じさせてくれた作品を ご紹介しようと思います。
まずはじめは ソバです。冷蔵庫の野菜室に保存しておいたタネを8月の20日すぎに鉢に播き、育てます。
最近は赤ソバのタネも出回っているようです。
この作品はヤマハッカです。シソ科の植物ですが いかにも野山に生えていそうな風情を感じさせてくれます。何回か切り戻しをしています。
次の作品は河内さんのカラスノゴマです。 かつて 横浜の普通の野原に生えていた草のタネから育てたもので1年草です。タネがゴマに似ているがずっと小さくて、カラスのように小さいと喩えたところから由来する名前だそうです。なにやら針金細工の工芸品みたいですね。花は黄色いのですが この作品はすでに花が終わり
紅葉した作品です。
この作品も何か不思議な作品です。クロホシクサです。湿原に生えるホシクサですが それを船に載せて
浮かべたというイメージです。 クサ、鉢、陶板 すべての調和から風情を表現した作品です。カラスノゴマと同じく、秀逸ですね
中国地方の中央に位置する蒜山(1202m)、道後山(1271m)、吾妻山(1238m)・比婆山(1264m)を歩いた。
中蒜山と上蒜山を縦走した。天気には恵まれたが、花の山ではないし、時期的なこともあり、花にはほとんど出会えなかった。
吾妻山の麓はすでに紅葉が始まっていた。
吾妻山から比婆山を縦走したが、花の名山だけあっていろいろな秋の花に出会えた。写真は吾妻山から比婆山を望んだ。
リンドウ(竜胆) りんどう科
蒜山で出会った花でここでの目立った花は、秋を代表するこのリンドウとヤマラッキョウくらい。天気が良かったので、花が開いていてラッキー。
アケボノソウ(曙草) りんどう科
雨の中歩いた道後山の山麓で出会った。戸隠高原で出会って以来。薄暗い中、白い花が目を引いた。花びらの先の斑点が星の様なので付いた名前だが、愛らしい花だ。
フユノハナワラビ(冬の花蕨) はなやすり科
花ではない。子持ちわかめのように見えるのは、胞子を含んだ袋で胞子葉というそうだ。秋に葉を出し、枯れずに冬を過ごし、春になって枯れるのでこの名がある。季節感を感じさせる山野草だ。吾妻山の山麓で出会った。
キセルアザミ(煙管薊) きく科 別名:サワアザミ(沢薊)
首を下に曲げたところは確かにキセルの雁首に似ている。アザミは種類が多くて名前がわかりにくい。このほかの種類も咲いていた。吾妻山の山道で出会った。
タンナトリカブト(丹那鳥兜) きんぽうげ科
近畿以西から九州にかけて咲くが、中国地方ではもっともふつうの種類のようだ。トリカブトといえば、猛毒の植物の代表格だ。吾妻山で出会った個体は花が密集して付いていて見事だった。
シコクフウロ(四国風露) ふうろそう科 別名:イヨフウロ(伊予風露)
比婆山で出会ったが、既に最盛期を過ぎていて、わずかに残っていた一輪。白に紅紫色の筋がとてもきれいだ。東海地方以西、四国、九州に分布しているようだが、今回初めて出会った。
今回はイネ科の作品をご紹介します。顕花植物の中で最多の科はラン科、その次に多いのがイネ科のようです。平地ならどこを歩いててもイネ科の植物に出会います。この季節なら、その代表はススキやネコジャラシの別名を持つエノコログサなどでしょう。
イネ科の植物の花はとっても地味ですね。でも、鉢植えでの育て方次第で秋の風情が味わえます。
むさしの山草会、河内さんの作品です。
まずはじめに トダシバ
浅鉢に植えられた作品で、スラっとしたその姿は そよ風に揺れているように見えます。
ヒメアブラススキです。この作品も素敵でしょ?
穂の姿形がトダシバと異なり、女性的ですね。思わず、穂にさわってしまいたくなる作品です。土堤や路地にこんな清楚な植物があったっけ?と思ってしまいます。
次の作品は市橋さんのススキです。
ススキの穂をよく見てみると、しろっぽい種類の穂を出すものもあれば赤っぽいものもあります。この作品は
後者です。比較的小さめの鉢で育てていると、戸外でみるような背の高いススキにはならず、床の間においても似合いそうな大きさで育ちます。でも、鉢栽培では一期一会です。根が成長するので、放おっておいたらもう
二度と来年は同じにはなりません。そこに作者の工夫があってこそ、またほぼおなじ風情を次の年につくりだせるのです。
同じイネ科でも背高のものばかりではありません。次にです。お見せする作品はハイチゴザサです。赤い花は寄せ植えしたヒメイヌタデです。このイネ科の植物は、地面を這うように伸びて増えていきます。黄葉するとまた美しくなります。
最後にお見せするのはクロマイ(黒米)です。イネ科の植物は山にあるもの、平地にあるもの、湿地にあるものと多様です。このクロマイはコメですから水田とおなじように 5月早々に苗を作って、水をいれた発泡スチロールの箱の中で育てます。9がつの半ばに クロマイをつけた穂がいっせいに顔を覗かせます。その瞬間を
みると報われた思いがして、愛着が湧き上がります。
中央アルプスの主脈、南駒ケ岳から空木岳までを3日かけて縦走した。
3日間の中日は天気に恵まれ、稜線から望む木曽御岳山(写真奥左)、乗鞍岳(同右)は素晴らしかった。もちろん北アルプス槍穂や南アルプスもくっきり眺められ、醍醐味を味わった。
3000m近い稜線にはほとんど花は見られなかったが、2500mの越百小屋の辺りにはヤマハハコが群生していて、秋を感じさせた。
ナナカマド(七竈) ばら科
赤い実を沢山つけたナナカマドの大きな木があって、後ろの白い岩山を背景に美しかった。思わずシャッターを切った。
ゴゼンタチバナ(御前橘) みずき科
白い花は気品があるので、午前は「静御前」のことかと思っていたら、白山の主峰午前峰(ごぜんがみね)のことで、橘はカラタチバナの実に似ているからだそうだ。きれいな赤い実だ。
コケモモ(苔桃) つつじ科
白やピンクの花がこんなに美味しそうな桃の形に似た実になった。コケモモのジャムがお土産で売られていることがあるが、栽培されていることは稀なので、野生のものから作ったことになる。ひと瓶作るのも大変だろうな。
ヒョウタンボク(瓢箪木) すいかずら科
すいかずらのような白い花を咲かせ、赤い実になる頃2つの実がくっつき合う。それが瓢箪のようだから付いた名だ。なぜくっつく必要があるのだろう。
ユキザサ(雪笹) ゆり科
真っ白い雪の結晶のような花を付ける。その花が実になった。赤い色のものが多いように思うが、ここで出会ったものはオレンジ色であった。これから赤く変わるのだろうか。
コマウスユキソウ(駒薄雪草) きく科 別名:ヒメウスユキソウ(姫薄雪草)
日本では、エーデルワイスの仲間はウスユキソウと呼ばれている。ヨーロッパのエーデルワイスに一番近くてきれいなのは自分だと、このコマウスユキソウとハヤチネウスユキソウが争っている。コマウスユキソウは木曽駒ケ岳周辺の固有種であり、ハヤチネウスユキソウは早池峰山の固有種だ。写真の花は稜線に咲いていたが、既に枯れかかっていて、残念ながらそれを判断するのは難しい。